実施日 : 2018/5/23~5/27
今回、夢の旅を体験なさったシェーンさんは、『軽井沢の芸術と雰囲気を味わう旅』という案で732件の応募の中から当選しました。当日は、シェーンさんご夫婦とそのご家族の5名様でご参加いただきました。シェーンさんを含め皆様とても明るい方々で、訪れる先々を心から楽しんでいらっしゃるご様子でした。この機会は軽井沢の雰囲気を味わうだけでなく、久々の家族団らんの時間を過ごす機会ともなったようです。
軽井沢 - 知的かつ歴史的な街でありながら
ゆっくりと自由な時間を満喫できる場所
私の見解では、最も魅力的な観光場所は千住博美術館です。私は子供の頃から芸術作品に感銘を受けたことがなかったように思います。私にとってたとえそれが有名な作品であったとしても芸術的価値はとても理解しがたいものです。過去に数々の美術館を訪れましたが、作品で表現される意味や美術品としての美しさが私の心をしっかりと掴むことがなく、把握に苦しむ一方で、(有名と言う理由で)理解しなければならないような奇妙なストレスを感じていました。そのため、いつも単にぶらぶら歩きながら集中することなく歩き回っているばかりでした。
しかし、今回千住博美術館を訪れてみて、その建築デザインに深く感銘を受けたのは驚きでした。この美術館では特に照明デザインにより、館内全体が素晴らしい芸術作品となっています。正直に言って、多角形の変則的な形をした外観からは美術館内部の美しさは全く予想されませんでした。ところが入り口から中へ足を踏み入れた途端、その照明効果と美術館全体にわたる輪郭にすっかり心を奪われたのでした。西澤立衛がこの美術館の設計士であり、2010年には、もう一人の共同創設者でもある妹島和代とともにプリツカー建築賞を受賞、これは1995年に安藤忠雄日本人として受賞して以来の快挙でした。
私が今回この美術館を訪れた時の展示作品は滝と星空を表現したものが中心でした。作品の主なテーマは自然界でした。この美術館の完璧な環境とその照明効果により、初めてこの美術館に足を踏み入れた訪問者は即座に創作者の世界(イディオロジー)に吸い込まれていきます。ほぼ完璧と言っても良いでしょう。
二番目に印象に残ったことは、有名なジョンレノンの足跡が、ここ軽井沢のどこかしこにもはっきりと感じられることです。もう随分時間が経ったので若い年代の人でジョンレノンを知っている人はあまりいないのではないかと思われますが、それでもここでは彼はよく知られた重要人物であり、その貴重な面影が軽井沢のあちこちに残され、大事に守られています。ここで見逃すことはまずありません。私自身はビートルズ世代ではないですが、それでも子供の時、両親がビートルズのアルバムを聴いているのを見て育ってきました。軽井沢への旅の一環としてジョンレノンの足跡を訪れ、特に彼が亡くなる直前にここを訪れた軌跡を見ることで私の両親との距離もより近くなったような気がしました。
軽井沢で三番目に印象に残ったのは石造りの教会(石の教会)でした。この教会でもその美しさに、私は息を飲みました。教会の建物の中に足を踏み入れると、自然界の5大要素である「石、光、水、緑、樹」が完璧に組み合わされた出で立ちに、私はとても感銘を受け、心が躍りました。あいにくこの日は曇りであったにもかかわらず、その自然光を取り入れるデザインにより、この石造りの教会の内部はとても明るく、人口的な光源がほとんど必要ないほどでした。円弧状の石造りの屋根と種々の角度に埋められたガラスは、建物内に足を踏み入れた私たちに完璧とも言える柔らかい光を注いでいました。この“石の教会“が結婚式場としてとても人気があるのも然りです。
シェーンさんとお母さんでサイクリング
絵本の森美術館にて
最後に、私は軽井沢のゆったりとした自由な雰囲気に非常に感銘を受けました。過去に私は日本を訪れたことが何回かあり、東京、関西、北海道などへは行ったことがありましたが、軽井沢を訪れたのは、しかも両親とともには初めてでした。これは最高の選択だったと思います。都会である東京は便利でとても活気がありますが、混雑した人ごみの流れの中での移動や交通機関(バスなど)の乗り換え等は非常にストレスで、日本での旅の経験がなく、ゆっくりと旅をしたい両親には向きません。対照的に、ここ軽井沢は家族全員が一緒に車で移動でき、ほとんどの観光スポットは20分以内の車での移動でいけます。これは皆にとってとても便利です。ですから、自分で車を運転していくことが軽井沢を訪れる一番お勧めの移動方法です。付け加えるならば、マリオットホテルは軽井沢の中でとても便利な場所にあります。
まとめると、軽井沢は知的かつ歴史的な街でありながらゆっくりと自由な時間を満喫できる素晴らしい場所です。短期間で娯楽を楽しむような場所では決してありません。もしこの場所をドライブがてら行ける観光地で、おしゃれな喫茶店やショッピングをするだけの街だと考えているならば、そしてそういうことしかこの街でしなかったとすれば、それは大きな間違いです。